蜂蜜生せんべい 田中屋

愛知県知多半島銘菓 半田のおみやげ 生せんべいといえば 田中屋


踏み出せなかった最初の1歩(1/2)

抹茶味が最初にお披露目、販売されたのは、2006年の半田市「産業まつり」でのこと。半田の地域振興を図ることを目的に、地元の産業の担い手たちが実行委員会を組織し、開催されたものでした。半田商工会議所青年部のメンバーである総本家田中屋の田中純一社長も、半田の伝統菓子「生せんべい」に“抹茶味”という新風を送り込むことで、地元・半田を盛り上げようと試みたのです。

「結果からいえばそうなんだけど、でもね、実は私は当初、新たな味の開発にそれほど乗り気ではなかったんだよね(笑)」

先代の父から家業を受け継ぎ、創業以来、愛され続けて来た味をお客様に届けることに従業員とともに力を注いでいた田中社長にとって、白と黒のみの生産に絞り、お客様の需要にしっかりと応えられる効率性も、企業にとって大切にすべきことだと考えていたからです。
また、そもそも生せんべいは、家康の時代には、知多半島の農家の副業としてどこでもつくっていたお菓子で、今から50年ほど前まで、知多半島に数十件の専門店があった知多半島では非常にポピュラーなものでした。それが現在、全国広しといえど、生せんべいをつくっているのは総本家田中屋ともう1軒のみ。